遊び雛 08/02/16
 
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遊び雛

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「平安時代には、“歌(短歌)よみ”を交わしながら、男性が女性に近づき恋を成就させたのではないかと江戸時代の人々は想像し、雛を単に飾るのではなく、遊びに取り入れた。」(紅ミュージアム学芸員)とのこと。写真の男女は向き合っているものである。小さな丸い器には「小町紅」が入っている。
今日では、メールやケータイで瞬時に恋が成ってしまい、別離も早い。メールやケータイでは恋を熟成させる時間が短いからだろうか。
写真は、表参道にある「紅ミュージアム」展示のもの。(kumagai)

投稿者 oshare-club : 14:03 | トラックバック

金屋嘉明氏の「音楽と50年」

金屋さんの制作した「音楽と50年」は、まさに万葉撰修です。音楽を恋人と語り合うように楽しむことができる。

作曲家の川口耕平先生は、金屋さんと作品を評して「金屋さんの制作した全集は、その一つの表裏を聴けば、響き出る音楽の美しさと楽しさに、理屈抜きで心が踊るのを覚えずにはいられない。壮大な構想で、それは『ヨーロッパ音楽全体の歴史的俯瞰』である。」と言われている。

私のような初心者でも、その一つひとつのアルバムに、またアルバムの流れにいつの間にか引き込まれてしまう。そのいくつかをご紹介したい。

箕作秋吉(さくらさくら)からラヴェル、ショスタコヴィッチ、ガーシュウイン、ショパンの流れ、バッハ(ムストネン)の純粋な響きから池内友次郎(弦楽四重奏曲)の森林の叫びにより共鳴した頭脳へ、それをショスタコヴィッチ(プレリュードとフーガ)のやさしさが静めてくれる流れなどは、絶品としか言いようがない。どのアルバムも明確な撰集意図をもって聴き手を導くすごさ。これは、まさに金屋さんの詩であり物語である。ハイドン(ピアノ三重奏曲 ハ長調)からデュカの悲しみの重さがモーツァルト(マティス(S))で鎮められ、マーラー(7番)で深い世界に入っていく。グレゴリオ聖歌からランベール、シューベルトへの展開は、感動的。

ムストネン(P)の演奏。Eサイードが、ベートーヴェン後期作品により「人生後期の仕事」を記述してきたが、金屋さんのベートーヴェンは所謂ポピュラーでないものに多くを発見する。池内友次郎は煩悩の奥深く響く。迫力はデュカのピアノソナタ。高田三郎、ダングルベール(組曲 ハ長調、ルセ(Cemb))は、こころ休まる。ベルゴレージ(アンダンテ ヴァイオリンソナタ、モリーニ(P))、巖本 真理四重奏団、宍戸睦郎からR.シュトラウス、メシアンへと広がる世界は、もう誰もNoとは言えない。

50年を一つの区切りとして100巻以上に及ぶアルバムを制作したものが、
金屋さんの大作「音楽と50年」である。

投稿者 oshare-club : 07:57 | トラックバック

絵本の1ページのようなストーリー

「小さな窓の中に絵本の一ページのような物語のある場面を表現したい。木や家や雲があったり、星や月を組み合わせた空間のある世界をつくりたい。」
 こう言う鍛金造形家、山口みちよさんの作品には、少女のような夢が一杯つまっている。

 「時の住人たち」という時計の作品(写真下、100,000円)に、このことが象徴されているように思った。素材の鉄は古民家を想わせる。これらの窓は、私にはドラエモンのポケットのように思えた。
 「燃える炉の中にくべられた鉄のかたまりは、だんだんとオレンジ色に、そして白色に輝きだします。取り出されハンマーでぐにゃりとつぶされ叩き込まれるにつれて、生き生きとした表情を持ち始めます。」と彼女は案内に記す。


 
「東京広尾ギャラリー旬」で7日―12日まで、鍛金家の山口堅造さんと鍛金造形家の山口みちよさんの二人展があった。
 山口堅造さんの作品は、銀や銅の花器、水差し、皿などであった。銀の花器に施した緑青のような色が鮮やかであった。
 銅に銀を焼き付けた木の葉の形をした皿が面白いと思った。涼をとるにふさわしい皿だと思い購入した(1枚9000円)。

この皿に盛るにふさわしい菓子を探しにデパートを訪れた。
 「奈良 香寿軒」の「朝顔」(1個210円)を買った。この朝顔は「ほんのりぶどう味の和風ゼリィに薄紫色の道明寺を散らし、涼しげで愛らしい朝顔の姿をあらわしました。」ものであると案内にあった。
 これを木の葉の皿に盛り、ブルーベリーの葉と実をあしらった(写真上)。夏の朝の涼のひとときであった。

投稿者 oshare-club : 23:42 | トラックバック

私を自由に描く

「もし、神様がお許しになったら、そうするわね。」
約束したりするとき、嫌でも、こういう言い方で、はっきり断ったりはしない。
そんな風土と民族に親しみを覚え、失われつつある伝統的な「ジャワ更紗」(バティック)の保存に情熱をかけているのが、染色家・伊藤ふさ美さん。

 

「バティックの魅力は、模様の自由さにあるんです。
花を描くにしても、花びらの中に動物を入れて描いてもいい、『私を自由に描く』そんな思いで作品を作っています。」という。

 だが、わずかに残る伝統的な手法を使った
バティック工房が、目に見えて減っている。
著名なデザイナー達は作品の中にバティックを取り入れるが、それはアレンジであって伝統的なバティックとは違ったジャンルのものだという。

 
しかし、
「売れるところもなく、伝統的な技術を守れといっても、それは単なるお節介になってしまう。
どうしたら、その手間に見合った価格が受け入れられるか。」が伊藤さんの大きな悩み。

 その悩みを少しでも解くため、3年がかりで仕上げた作品の個展を「千疋屋ギャラリー」で開いている。
 
 我々消費者の眼力も問われている。
 日本人は、もっと自我流のおしゃれをしてもいいと思う。バティックをさらりと肩にかけるだけで、あなたは、あなただけの見事なファッションを楽しむことができる。

    ◆伊藤ふさ美 「ジャワ更紗」展 千疋屋ギャラリー他、多数個展開催

    ◆書籍「ジャワ更紗―今に生きる伝統」 伊藤ふさ美・著/小笠原小枝・編 
     小学館 本体1600円+税 ISBNコード:4098060186